2014年02月20日

機械式腕時計の機能まとめ(2)

前回の続きです。

<使える複雑機構>

あくまでも個人的に使えると思う機能または複雑機構です。

・リザーブドマルシェ
「パワーリザーブインジケーター」と呼び、ガソリンメーターと同じで動力の残量を示す機能です。
通常はメーター上の針が、ゼンマイをめいっぱい巻き上げたときをMaxとして残量を指しています。
自動巻き時計は付けていればずっと動くのだから動力の残量を気にする必要がありませんが、
手巻き時計だとゼンマイを巻くタイミングを把握するうえで大変便利な機能です。
ここでパワーリザーブという概念についても触れます。
「この時計はパワーリザーブ60時間」などという言い方をするのですが、それはゼンマイをめいっぱい巻き上げた後に機械式腕時計が動いてくれる時間のことを指します。車でいうと一回満タンにした後に走ってくれる距離のことですね。
パワーリザーブも機械式腕時計の大事な指標です。
リザーブドマルシェの例:ゼニス / グランドクラス


・GMT / デュアルタイム / ワールドタイマー
海外時間など複数の時間帯を同時に表示する時計です。
表示の仕方によりGMT、デュアルタイム、ワールドタイマーがあります。
- GMT・・・24時間針(GTM針といいます)と24時間メモリによって2つ目の時間帯を表示します。
- デュアルタイム・・・時計の中にもう1つ小さい時計があり、表示します。GMTより読み取りが楽です。下の例で紹介しているフランクミュラーのマスターバンカーは3つなので正確に言うとデュアル(2つの)タイムではないです。
- ワールドタイマー・・・回転ベゼル内に「Tokyo」や「New York」など都市名があり、針などを合わせることで各都市の時間帯が直接わかります。
上記機能は海外旅行時やビジネスマンに重宝されます。
GMTの例:ロレックス / GMTマスターII

デュアルタイムの例:フランクミュラー / マスターバンカー

ワールドタイマーの例:ジャガールクルト / マスタージオグラフィーク


<飾りの複雑機構>
あくまでも個人的に飾りだと思う複雑機構です。
過去は必要な機能でしたが、現在は不要になったものを含みます。
飾りであるからこそ、面白みとロマンがあるのです。

・トゥールビヨン
機械式腕時計の中には「ひげゼンマイ」や「ガンギ車」、「テンプ」などで構成される「脱進・調速機」があります。これらが何か、どのような動きをするかは時計専門誌に任せるとして、「脱進・調速機」とは歯車を同じスピードで回転し続け、正しく時を刻ませる要の部品です。
リューズを巻くと主ゼンマイが巻き上げられますが、巻き上げた直後はほどける力が強く、そこからかなり時間が経てば弱くなるなど、その時々で動力が異なります。これを調整しなければ時を正しく刻めません。「脱進・調速機」があるからこそ、この動力は常に一定のスピードで歯車を回すべく調整されながら歯車に伝わるのです。
さて、問題はこの「脱進・調速機」の中の「ひげゼンマイ」で、機械式腕時計をずっと同じ向きに置いておくと(ポケットの中の懐中時計などです)重力の影響で「ひげゼンマイ」がたわんでしまい時計の精度が落ちます。そこで、まさにコロンブスの卵ですが、「脱進・調速機」自体を常に回し、重力の影響を一方向に受けないようにしたのが「トゥールビヨン機構」なのです。
現代において時計に精度を求めるのならトゥールビヨン機構がなくともクォーツ式腕時計を選べば良いので飾りに分類しましたが、見た目はすごく神秘的で綺麗な、時計師の知恵が詰まった高い技術を要する複雑機構です。
トゥールビヨンの例:ブレゲ / クラシックトゥールビヨン


・ミニッツリピーター
これも現代においては必要のなくなった機能です。
現代と違い、ランプの明かりなどが主流だった昔は、暗くて時計を読むのが容易ではありませんでした。
そこで便利なのがこのミニッツリピーターです。
要はチャイムにより1分単位までの時刻を知らせる機能で、例えば時(A音)、15分(B音)、1分(C音)で音を分けて伝えます。1時17分だと、Aが1回、Bが1回、Cが2回鳴るのです。
技術的にトゥールビヨンに劣らない複雑機構です。
耳を澄まさないと聞こえない、とても可憐な音です。
ミニッツリピーターの例:ブランパン / ヴィルレ

・ムーンフェーズ
月の満ち欠けを表示する機能です。
月相が生活と密接に関係していた昔は重要な機能だったと思いますが、太陽暦が深く浸透している現代では飾りとなってしまった機能です。
腕に夜空を付けているようで、とてもロマンチックな気分にさせる複雑機構です。
ムーンフェーズの例:ジャガールクルト / マスター ウルトラスリム ムーン


・オートマタ
ゼンマイ仕掛け人形に組み込まれた機構のことで、腕時計に使われていることがあります。
ロマンチックなものから下ネタなものまで色々あります。
以下の例ではロマンチックなヴァンクリーフ&アーペルの時計を紹介します。
「ポン デ ザムルー(恋人たちの橋)」という名前で、女性と男性がセーヌ河の橋を渡ります。
女性の傘が時間、男性の花が分を指しますが、二人は毎日0時に1分間キスを交わすのです。
究極の飾り複雑機構ではないでしょうか?
オートマタの例:ヴァンクリーフ&アーペル / ポン デ ザムルー

以上です。








posted by コンシューマン at 00:38| Comment(0) | 時計役立ちコラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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